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税務経営情報 vol.390

樽の法則!

 先日ある会で、アテネ五輪・北京五輪の女子柔道で金メダルを取られた谷本歩実さんの講演を聞くことができました。五輪史上初となる2大会オール一本勝ちで、連覇を成し遂げた方です。当時オール一本勝ちというすっきりとした勝ち方で凄い女性だなと思っていました。今回初めてお姿を拝見しましたが、普通の女性という感じでした。

講演の内容としては、「金メダルをとるための思考回路」という題目でした。金メダルを取るのに特に何か特別なことしていたのかと思っていましたが、そうでもなく、体を鍛えることはもちろん、精神的にもきたえるという普通のことでした。ただ普通というと簡単そうに聞こえますが、メダリストの普通というのは、やはり一般人とは異なり、半端なく追い込んでいるようでした。まず金メダルをとるというイメージを持つ反面、金メダルを取れないというイメージも持つようです。取れないというイメージをとことんまで追求して、なぜ取れないのかを分析していくようです。そのできていないことを、一つずつ洗い出して、その問題点を解決していくために最大限の準備をしているのだそうです。けがをして先が見えない時はもちろん不安になることは一般人と同じですが、金メダルを取るというモチベーションと、仲間との絆、周りの方相談者への敬意を持つことによって、その不安を乗り切ってきたそうです。そういう精神面も含めて、メダリストは凄いなぁと感激しました。

その話の中で、「樽の法則」の話が出てきました。「樽の法則」とは、どういうものかというと、ワインや日本酒などの木樽を思い浮かべてください。何枚もの木の板を繋ぎ合わせて、一つの樽ができています。その樽の板の高さが揃っていなければ、樽一杯にお酒を入れる事が出来ません。全ての板の中で一番低い位置が、その樽の容量を決めてしまうというものです。谷本さんは、立ち技や寝技、守り方等々をまんべんなく高めて、かつ必殺技を磨いていたそうです。この「樽の法則」というのは、各会社でも同じことがいえるのだと色々なところで言われていました。たしかに樽の容量が、その会社の容量だと考えれば、一人だけが高い板だったとしても、一番低い板でその容量が決まってくるのであれば、全体をあげないとその会社のレベルアップに繋がりません。なんであいつはできないだと思うのであれば、レベルアップできる環境を作っていかないといけないのでしょう。また本人も自分自身からレベルアップを目指さないといけないのでしょう。もちろん社長といえどもレベルアップをやめれば、会社は大きくならないのであるから頑張らないといけないのでしょう。

この講演の後、谷本さんがとった金メダルを会場の皆に触らせていただくとことができました。私も直ぐに触らせていただきました。手に取った感じは、意外に重かったという感覚でした。そこでふと伏見稲荷大社にある「おもかる石」というものを思い出しました。稲荷大社に石が飾ってあり、その石を持つ事が出来て、自分が予想したより軽いと感じれば、願い事が叶うというもので、逆に予想に反して重いと、その願い事を叶えるのに一層の努力が必要であるというものです。私自身柔道で金メダルを取ることはできませんが、そのメダルを重いと感じてしまったので、社会人としてもう少し、いやまだまだ一層努力が必要だと実感しました。

(岡 本 清 臣)

電子帳簿保存法(令和6年1月1日からの取扱いについて)

電子取引データの保存方法

申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務のある方が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

どのようなデータの保存が必要?

• 紙でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当するデータを保存する必要があります。
• あくまでデータでやりとりしたものが対象であり、紙でやりとりしたものをデータ化しなければならない訳ではありません。
• 受け取った場合だけでなく、送った場合にも保存する必要があります。

どのように保存する必要がある?

改ざん防止のための措置をとる必要があります。

「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。

•ディスプレイやプリンタ等を備え付ける必要があります。

改ざん防止のための措置とは?

•「改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る」といったシステム費⽤等をかけずに導入できる方法もあります。
• 改ざん防止のための事務処理規程のサンプルは、国税庁HPに掲載しています。

※上記のほか、「タイムスタンプを付与」「訂正・削除の履歴が残るシステム等での授受・保存」といった方法もあります。

検索要件を満たすための簡易な方法とは?

専用のシステムを導入していなくても、以下のいずれかの方法で対応することができます。

 

 

  • 表計算ソフト等で索引簿を作成する方法

表計算ソフト等で索引簿を作成、表計算ソフト等の機能を使って検索する方法です。

索引簿のサンプルは、国税庁HPに掲載しています。

  • 規則的なファイル名を付す方法

データのファイル名に規則性をもって「日付・金額・取引先」を入力し、特定のフォルダに集約しておくことで、フォルダの検索機能が活⽤できるようにする方法です。

※税務調査の際に職員から電子取引データのダウンロードの求めがあった場合には、その電子取引データについて提出してください。

国税庁ホームページ(電子帳簿保存法関係 電子取引関係)一部抜粋