税務経営情報 Vol.240
~ 起業のライン!! ~
みなさん、会社を興した時や事業を引き継いだ時のことを覚えておられますか?その時になぜサラリーマンではなく会社を興そうとしたのか、どのような会社にしていこうかといろいろ考えたことでしょう。今既に事業をされている方は、その始めようとした時「起業のライン」を踏み越えて、今に至るのでしょう。今振り返ると、その「起業のライン」はすんなり超えられたのでしょうか?
2006年度の中小企業白書によると、「 起業のライン」を超えて独立し ても1年未満に4割の人が脱落するのだそうです。さらに、1年目、3年目 の壁を乗り越えても、5年後まで継続できる人は、約1割でしかないそうです。そう考えると今頑張っておられる社長さん達は貴重な生き残りとなるのですね。何がポイントとなるのでしょうか。私もなんだかんだ言って、9年目に突入しました。当初は事務所を経営していくにも、仕事柄、経理のことは分かりますが「経営ってなに?」のレベルでした。
10年ほど前、新聞に掲載してあった「起業家学校」の募集をみて、思い立って入学しそして半年ほど起業するまでに必要な経営やマーケティングなどを学びました。その時は、モノを作って売っていくビジネスプランを立てていました。いろいろな専門の先生がいて、いろいろ専門的なことを教えていただきましたが、それらを知っているからといってすぐに「起業」できるかといえば、そうではありませんでした。「起業」に至るまでに大事なのは、売るための「モノ」、商品・製品・サービスが明確にあり、本当にその「モノ」が大好きでなければできないということを学びました。当たり前のことなのですが、漠然と「こんなものがあればいいなぁ」という程度では商売にはならないのでしょう。その「モノ」があれば、「誰に」「どのように売っていくか」が見えてきます。その時に、マーケティングなどが必要になった時に専門家に聞いたり、自分で勉強したりして「経営者」として育っていくのでしょう。
なぜこんなことを思い出したかといえば、「女性のための起業セミナー」に講師として参加させていただいたからです。私自身は、2時間半の一コマの税金&会計の講義でした。起業してからは必ず必要なものですが、裏を返せば起業するまではあまり必要ありません。しかしみなさんは、「起業のライン」を超えるための条件の一つとして考えておられ、必死に勉強をされていました。
その一生懸命に勉強をしている姿を見ると、昔の自分を見ているようでついつい講義に熱が入り、いろいろ応援したくなりました。力をつけて「起業のライン」を超えていってほしいですね。今回の参加者は、子育てに一段落ついた女性の方が多く、なにか生きがいを求めてこのセミナーに参加されているようでした。出産を経験した女性からなのか、大変積極的でした。廃業率が開業率を上回っている昨今、女性の開業率が男性の率より高いのがなんとなく分かるような気がしました。世の男性諸君はどうなっているのでしょうか?
なにはともあれ、みんな生きがいを見つけて幸せになってほしいですね。
(岡 本 清 臣)
~裁判員制度~
Ⅳ 裁判員の選任手続の具体的イメージ編
19.裁判員の選任~くじで裁判員が選ばれる~
《「裁判員制度ナビゲーション」より抜粋 》