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税務経営情報 Vol.257

~ 読 書 の 秋 ~

 今年は夏の暑さが長く続き、紅葉が始まったと思ったらすぐに寒くなり、もう年末という季節になりました。秋が短かったので、その短い間に秋の食材を凝縮していただくことが出来たからか、食に関しては充実した季節だったように感じます。

 「食」以外に秋を感じることとして、「読書の秋」という言葉があります。由来を調べてみると、中国の唐の時代にさかのぼるそうです。文人である韓愈(かんゆ768~824)が残した詩の中に、「燈火(とうか)親しむべし」という一節があります。秋になると涼しさが気持ちよく感じられ、あかり(燈火)になじむようになる、ということだそうです。つまり、秋は読書に一番適した季節であるということを表現した言葉が、「読書の秋」の由来とされているそうです。

 また、秋は気温が脳の活動に最適な温度になるため、読書や勉強に没頭しやすい季節なのだそうです。そういえば、秋になると何か始めたくなるちゃんとした理由があったのですね。最近秋に始めたのは・・・。

 子供の頃は国語の成績は全然良くなかったのですが、結構本を読んでいました。自主的に読んでいたというより、親に読まされていた感がありました。その後本を読む習慣が付き(親のおかげですね)、年間を通して本を読むようになりました。私は本を買って家に置いておく派であまり図書館で借りるというのはなかったのですが、最近のニュースを見ていると、国民1人が1年間に図書館で借りた本や雑誌の数は5.4冊と、昭和49年度に統計を取り始めてから最も多くなったことが、文部科学省の調査で分かったそうです。 この調査は、文部科学省が3年に一度行っているものです。知りませんでした・・。

 しかし、買うか借りるかは違いますが、年5.4冊とは少ないような気がします。それも昭和49年以降一番多いとは。節約志向なのか、買ってまで読む本がないのか、ニュースでは団塊の世代が退職して余暇を読書して過ごすのでないかと言っていました。借りる量より、読む量としてはもっと多いと思いますが。
 
 私の子供達も、結構本を読むようになりました。テレビを見ないときや、行き帰りの通学中に本を読んでいます。良い傾向だと思いますが、読み出したら気になって止まらないのかずっと読んでいるので(もちろん勉強もしないで)、すぐに読み終えてしまします。買って家に置いておく派なので、子供にも買ってしまいます。すると結構な金額になってきます。置いておく派も善し悪しだなぁと感じる今日この頃です。
 
 平成21年にNHKで、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」が放送されました。これがきっかけで、司馬遼太郎氏の本を読み漁るようになりました。「竜馬がゆく」、「燃えよ剣」などいろいろ買いました。司馬遼太郎氏は、ご存知のように色々歴史を調べていく作家で、本が1冊で完結するのは少なく、第何巻まであるというのが多いです。だから若い頃はあえて敬遠していたのかもしれませんが、本格的に読み始めました(もちろん初めは上下巻でトライしました)。読み始めると、作家というより研究者みたいで、読んでいても楽しくすっと読み終えていました。

図1 「竜馬がゆく」は、全8巻でしたがこれもあっという間に読み終えて、長い本も全然平気だなぁと自信になってきました。そこでついに西郷隆盛さんの明治維新から西南の役までを描いた「翔ぶが如く」全10巻にチャレンジしました。ちょうど1年前の10月に読み始めましたが、読み終えたのが今年の11月となり、なんと約1年もかかってしまいました。長~い読書の秋になってしまいました。長すぎるのはやっぱり苦手ですね~。  
          
( 岡 本 清 臣)