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税務経営情報 Vol.212

~ご近所付き合い~

京都には、引っ越しをしてくると「向こう3軒両隣」といって、両隣はもちろん道を挟んで向こう3軒にも挨拶をする習慣があります。これは京都の地ならではで、京都という土地によそ者が入ってくる時に素性の分からないものを必要以上に警戒する歴史的な流れがあるため、「自分たちは怪しいものではないです」ということを示すためにそういうことをする暗黙のルールだということです。なぜなら、京都に都があったから何百年もご近所さんが同じという状態が長く続き、都であったが故によそ者からの侵略が多くあり、そこの住民が結束して自己防衛をするために地域の共同体を作っていたからです。
  私も今の家に引っ越してきた時は、挨拶回りに行きました。どんな人が住んでいるのか、またもともと20区画で売り出しているところで、私が購入したのはその中で最後であり、既に住まれている中に遅れて入り込んだ状態だったからです。ご近所さんは、私よりも年上でなかなか交流がありませんでした。しかし、ある時私たち家族が庭でバーベキューをしていると、お隣さんが外出先から戻ってこられて「美味しそうですねぇ」と声を掛けて下さり、「それではご一緒にどうですか」とビールを飲みかわしていくうちに、すぐに意気投合し、家族ぐるみで仲良くなりました。それからというもの、バーベキューをする時にはご一緒させてもらったり、お隣さんが犬の散歩に行く時に子供達を一緒に連れて行ってもらったりと仲良くさせて頂いています。
  そのお隣の息子さんが、今度結婚されることになりました。海外で挙式をあげられるそうですが、以前のように結納をしている感じがなく、御祝を持ってお客様が訪れることもないようでした。最近はこんなものかと思っていましたが、そこはやはりご近所付き合いの流れで、略式で御祝を持って行きました。大変喜んでおられて、こちらとしても嬉しかったです。というのは、私が実家にいる頃は近所のおっちゃんやおばちゃん(といっては失礼ですが)によく怒られたり、またかわいがってもらっていました。そのおかげか私が結婚する時は近所の方から御祝を頂き、あらためて近所付き合いの仕方を学びました。これも両親がそういうお手本を示していてくれたからでしょう。こういう下地があったので、私も結婚して自分の家を持ったら絶対近所付き合いをするぞと思っていました。今回そういうことがあって、今度は私が周りの人に恩返しをする番だと思いました。後は、その息子さんが近所の方々と仲良くできればいいなと思います。
  ご近所付き合いをすることによって生まれる効果というのを考えてみると、私はやはり地域社会の形成だと思います。もちろん家族という核があって、そこでの関係が大事なのはいうまでもありませんが、その家族というのは血の繋がりのある関係です。しかし一生その家族の中だけで過ごすことはできないし、必ず社会という世界に出て行くことになります。そのときの第一歩が地域なのではないでしょうか。子供にとっても、親以外の大人とふれあう最初の場であるのは疑いもないでしょう。その地域社会が今崩壊していると言われて久しいです。子供達だけで外で遊ばせることがなくなっています。このままでいいわけがありません。もう一度地域社会というものを見直したいと思います。

(岡 本  清 臣)

~事業承継問題~

第五章 社会的に経営者をサポートする仕組み
5.金融機関等
金融機関は、資金調達面を中心として中小企業と密接な関わりがあり、中小企業に対して、資金面を始めとする総合的なサポートを行い、中小企業の経営課題や事業承継全般に関する様々な助言等も行っています。また、信託業務を扱う信託銀行、M&AやMBOに関する資金調達を支援する投資会社、増資の際に安定株主として株式を引き受ける中小企業投資育成株式会社等、特定の分野に強みを発揮する機関も存在します。さらに、後継者育成やM&A等の事業承継に関するセミナーを開催している機関もあります。以下のような事項でお悩みの方は、各金融機関等のホームページ等をご覧いただき、相談するとよいでしょう。

・ 株式買取りや納税の資金を調達したいが、どうしたらいいか?
・ 親族内に適当な後継者がおらず、外部からの招聘やM&A等を検討しているが、どうやって候補者を探せばよいか?
・ M&AやMBOを行うに当たって、ファンドを活用したいがどうしたらよいか?
・ 遺言信託を利用したいが、どうしたらよいか?
・ 事業承継対策で生命保険を利用したいが、どうしたらよいか?
・ 将来の事業承継対策を念頭において、安定株主を増やす形で増資を行いたいがどうしたらよいか?
・ 後継者育成やM&A等の事業承継に関するセミナーに参加したいが、どうしたらよいか? 等

6.商工会議所・商工会
商工会議所・商工会等の中小企業関係団体は、中小・小規模企業の経営に関する総合的な相談・指導、各種セミナーの実施、中小企業関連施策に関する情報提供等を行っています。次のような事項でお悩みの方は、商工会議所・商工会に相談するとよいでしょう。

・ 事業承継に関する対策を始めたいが、どのようなことから手をつければよいか?
・ 事業承継に関して問題が生じているが、専門家を紹介してもらえないか?
・ 後継者を外部から雇い入れたいが、どうしたらいいか?
・ M&Aを検討したいが、必要な情報を入手できないか?
・ 後継者育成に関するセミナーに参加したいが、どうしたらよいか?

相談を希望される方は、最寄りの商工会議所(全国522箇所に所在)または日本商工会議所、最寄りの商工会(全国2,342箇所に所在)・都道府県商工会連合会(各都道府県に所在)または全国商工会連合会にお問い合わせください。

【全国の商工会議所の連絡先
http://www.cin.or.jp/cin-cgi/me_list99open.asp
【日本商工会議所 TEL:03-3283-7843 http://www.jcci.or.jp
【都道府県商工会連合会の連絡先
http://www.chusho.meti.go.jp/soudan/ken_shokokai.html
【全国商工会連合会 TEL:03-3503-1251 http://www.shokokai.or.jp

7.(独)中小企業基盤整備機構
(独)中小企業基盤整備機構は、支部に設置されている中小企業・ベンチャー総合支援センターに専門家を配置し、法務・税務・企業実務等各種相談の受付けを行っている他、中小企業大学校において後継者教育も含めた各種研修プログラムを実施すること等により、中小企業を総合的にサポートしています。
また、事業承継協議会の事務局を担当し、協議会に関する各種情報提供を行っているほか、中小企業の事業承継を支援することを目的とする投資ファンド(「事業承継ファンド」)への出資を行うことを検討しております。
御相談等を希望される方は、支部(全国9箇所に所在)、または(独)中小企業基盤整備機構にお問い合わせください。

【(独)中小企業基盤整備機構事業基盤支援課
TEL:03-5470-1576 http://www.smrj.go.jp
【事業承継協議会事務局 TEL:同上 http://jcbshp.com

   《「事業承継ガイドライン」より抜粋 》( 岡 本  清 臣 )