税務経営情報 Vol.266
~やっぱり適材適所!~
8月と言えば、毎年恒例の大峰山での修行。二日間の日程で、山頂の宿坊に宿泊して、早朝4時に下山をして、吉野の金剛堂にお参りをして帰るという行程でした。もうかれこれ10回ぐらい登っています。
初日は大峰山に上る前に、麓にある龍泉寺というところで「水行」。このお寺は、真言宗醍醐派大本山のお寺で、大峰山寺の護持院だそうです。大峯開山役行者が大峯修行の時、麓の洞川で岩場の中からコンコンと水が湧き出る泉を発見されたそうです。そこで八大龍王尊をお祠りして、水行をしたのが、この龍泉寺の始まりであると伝えられているそうです。毎年思いますが、この「水行」が一番きつい・・・。褌一丁に着替えて、鉢巻をまきそのコンコンと湧き出る水の中で、般若心経を3回ぐらい(ぐらいというのは、唱えている時は唱えるのに集中しているのであまり覚えていない、ちょっとでも気を抜くと、水から出て行きたくなるので・・)唱えます。役行者がたまたま発見してそこで「水行」をしようと思うぐらいきついものだったのでしょう。それを褌一丁の昔ながらの恰好で、現代まで続けていくというのが伝統なのでしょうね。この行に関しては、変えるとこがありません。
今年はなぜか、私が所属している「講」にNHKから取材が来ていました。どうせきつい行なら、カメラに映って頑張る方がいいとちょっと欲が出て、あえてカメラ映りのいいところで修行を行いました(笑)
そして大峰山に登ります。もちろん昔ながらの白装束(シャツもパンツも靴下も真っ白です)に身を包んで、左手には数珠を持ち、そして木の杖をもって、山道で同じような役行者に会うと、「よう参り!」(たぶんようお参りなさったなぁという意味だと思います)
と言いながら山道を登っていきます。衣装が真っ白なので、もちろん靴も真っ白、靴というより白足袋ですが。修行にするにあたって、水で身を清めて、そして真っ白な装束に身を包んで新鮮な気持ちで、山で修行するというのが本来の姿なのでしょう。
わかりました、きついけど水で清めましょう、白い装束に身を包んで登りましょう。ただ足元だけはなんとかならないものかと。というのは、大峰山は標高1720mのれっきとした山なのです(当たり前ですが)。そこを底の薄い白足袋で登るなんて、無謀としかいえません。
大目に見て白い靴で登るとしても、登山靴で白い靴はまぁありません。せいぜい頑張って探して、ワンポイントの色のあるテニスシューズぐらいしかありません。それでもテニスコートでテニスをする靴であって、間違っても登山用ではありません。初めて大峰山を登る時以来、靴の機能より色を重要視して登っていました。その結果岩場では滑るし、膝への負担が大きく、下山した後普通に歩けなくなります。当初こういう苦痛も修行の内と割り切っていましたが、歳をとってからどうなるかわからないし、岩場で滑って怪我するのも怖いので、思い切って今年はちゃんとした登山用の靴を購入しました。もちろん色より機能重視です。その結果靴の色は白とはかけ離れた黒、登っている途中も下山してからも膝の痛さが全然違いました。
修行は非日常的なもので、たまに体験することはいいと思いますが、靴は適材適所の方がいいですね!
( 岡 本 清 臣 )