税務経営情報 Vol.213
~地域力再生の取り組み~
私は今、人と人が繋がった温かい地域社会を築いていくための一環の一つとして和太鼓を通じて地域力再生の取り組みを始めています。地域力というのは、住民が互いの信頼と絆をもとに、協働して、自分たちの周囲の地域社会が直面している諸課題の解決に取り組んでいく力のことをいいます。
具体的に何をしているかというと、一昨年に伏見区にある羽束師神社において春のお祭りで60年ぶりに御神輿が復活しました。そこで昨年御神輿の巡行の前に初舞台として和太鼓を演奏したことは以前にお知らせしたことと思います。そのときは、私たち和太鼓チームが中心になって演奏をしていました。しかし、これは地域のお祭りなので地域の住民がもっと楽しむにはどうしたらいいのかと考えるようになりました。もちろん私たちの出演場所が減るのは寂しいのですが(笑)。それよりも住民同士がコミュニケーションをとって、安心した地域を作れる方がもっといいのではないかと思いました。
そこで、先日羽束師神社で体験和太鼓教室を開きました。はじめに断っておきますが、太鼓を始めて2年弱の私が人様に教えることはもちろんできないので、私達が今習っている和太鼓の先生(お年は70歳、容姿・体力的にそうは見えないほど情熱的で元気な方でこの先生の影響が大きい)に出向いてもらい教えて頂き、私たちはその補助をするという感じです。当日までに、神社の宮司さんや地域の総代さんなどに働きかけ、チラシを配ったり回覧板をまわしたりして、参加して頂ける人を募集していました。しかし、参加したいという方からの返事がなく不安を抱えたまま当日を迎えることになりました。
太鼓をする場所は、この趣旨から考えて地域住民が行きやすい所となると、もちろん神社しかありません。それも神社には、建物の中で演奏するような所はありませんし、境内の中でもちろん外で行うこととなっています。季節はまだまだ冬。それに週間天気予報では、雨。悪条件のもと、参加者がいないとなるとこのプロジェクトがいきなり頓挫してしまいかねません。とりあえず、我が子を含んだ知り合いの子供達を何人か動員しておきました。
当日の天気は晴れ、それに冬にもかかわらずその日は温かい日でした。コンディションは上々。あとは参加者がどれだけになるか。開始時刻は、午後1時。先生を含めた私たちのチームのメンバーが7名。参加者住民より多くなるのではないかと、話し合っていた矢先、親子連れの方が神社に入って来られました。そのときは、親子でお参りかと感心していたのですが、すると「太鼓の教室はどこでされていますか?」と尋ねて来られました。みんな実際はどうなるかと思っていたのですが、「ほんとに来てくれた~」と一気にテンションが上がりました。それからというもの、次々に人が来てくれて総勢20名ぐらいになりました。太鼓の数も足りませんでした(もともと多くは必要ないと思っていたので、あまり持ってきませんでした)が、一つの太鼓を3人が打つということで始まりました。
先生も嬉しかったのでしょう、にこにこしながら住民の方々に教えていきます。それも、いきなりリズム付きです。 内心
「初心者がそんなことまでできるのかな?」と思うぐらいのリズムを教えていきます。しかし、皆さん何だかんだ言いながらもこなしていき、短いですが1曲になって完成しました。参加して頂いたみなさんの中には、手にマメを作ったり、叩きすぎてバチを折った方や子供にさせるつもりで来られたが、子供より一生懸命打っている親の方がおられました。みんな和太鼓を通じて楽しそうにして、過ごされていました。
補助者の私たちは、初めて聴くリズムにとまどいながら、打ち方などを指導していました。すると、先生が「お手本に打ってみて下さい」と突然おっしゃり、急遽打つことになりました。まさか私たちに回ってくるなんて思いもしなかったので、チームのみんなあたふたしながらお手本(?)をしました。冷や汗がでましたが、これも先生の思惑で私たちが早く指導できるようにとされたことです。
今後の活動としては、地域住民が楽しく交流できるようにしていくことですが、当面の目標である地域の住民のみなさんが5月10日の羽束師神社神幸祭で演奏して地域で盛り上がっていけるようにしていきたいです。
(岡 本 清 臣)
~事業承継問題~
第五章 社会的に経営者をサポートする仕組み
8.中小企業庁
中小企業庁は、中小企業の発展のための様々な施策の企画・立案・実施、各
種制度等の普及に向けた取り組みを行っています。事業承継に関連する税制や
会社法について、中小企業経営者向けに分かりやすく解説したパンフレットの
作成・配布等も行っています。(パンフレットは以下のHPから閲覧・請求で
きます。)
情報提供等を希望される方は、中小企業庁または各経済産業局等の中小企業
課(全国9箇所に所在)に御相談ください。
【中小企業庁財務課 TEL:03-3501-5803 http://www.chusho.meti.go.jp】
第六章 おわりに
以上より、中小企業において円滑な事業承継がいかに大切かがお分かりいただけたと思います。何も対策を立てないままに事業承継が発生してしまうと、後継者や会社で働く役員・従業員にとって大きな負担が生じてしまいます。相続財産の分配をめぐって、親族内での争いが起こってしまうかもしれません。しかし、これまで見てきたとおり、事業承継を円滑にするための対策として、様々な手法を選択することができます。各分野において、中小企業の事業承継を助けるサポート役も存在します。これらのサポート役の力も借りて、様々な手法を組み合わせて計画的に対策を実行すれば、事業承継はきっとうまくゆくでしょう。
既に述べたとおり、何時かは必ず訪れるのが事業承継問題です。また、後継者教育、経営体制の整備、計画的な経営権の委譲、事業承継に向けた債務の圧縮、会社の実力の「磨きあげ」など、事業承継対策には長い期間を要することが通常です。このことを考えると、今すぐにでも事業承継計画の作成に向けた検討を始め、対策を実施していくべきでしょう。
この「事業承継ガイドライン~中小企業の円滑な事業承継のための手引き~」の活用によって、中小企業が円滑な事業承継を実現し、今後も発展していくことを願ってやみません。
《「事業承継ガイドライン」より抜粋 》( 岡 本 清 臣 )